Section 508の対象と、WCAG・機能的パフォーマンス基準の関係
Trusted Testerの学習で整理した、Section 508が対象とするICT、WCAG 2.0との関係、機能的パフォーマンス基準の使いどころ。
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Trusted Testerの学習中に残したメモを、Section 508の目的と基準の関係というテーマでまとめる。教材の逐語引用ではなく、公開されている公式基準と照合した要約。
Section 508は何を対象にしているか
Section 508(リハビリテーション法第508条)は、米国の連邦政府機関が開発・調達・維持・使用する情報通信技術(ICT)へのアクセスに関するもの。
障害のある職員や、連邦政府機関の情報を利用する一般市民が、障害のない人と同等に情報やデータへアクセスし、利用できるようにすることが求められる。アクセスは、直接利用できる形、または支援技術の利用をサポートする形で提供する。
対象はWebサイトだけではない。ソフトウェア、コンピューター、複合機、電子文書などもICTに含まれる。学習メモにあった文書作成やプレゼンテーションのデザインも、アクセシビリティに関わる作業として捉えられる。
適用範囲は改訂508基準のE201、一般的な例外はE202、機能へのアクセスはE203で定められている。
WCAG 2.0との関係
改訂508基準は、対象となる電子コンテンツやソフトウェアについて、WCAG 2.0のレベルA・AAの達成基準と適合要件を参照している。
- 電子コンテンツ(E205):一般公開される電子コンテンツと、規定された種類の政府機関の公式業務コミュニケーションが対象になる。
- ソフトウェア(E207):プラットフォームやアプリケーションのUIコンポーネントとコンテンツにWCAGの要件が適用される。
Web以外の文書やソフトウェアには、適用しない達成基準や、用語の読み替えなどが定められている。
元のメモでは「508条の対象となるICTはWCAG 2.0のA・AAに適合する」と大きくまとめていた。整理する際は、電子コンテンツ・ソフトウェアの適用範囲と例外を確認する。ハードウェアには第4章、ソフトウェアには第5章などの要件もあり、Section 508全体をWCAGだけで説明することはできない。
機能的パフォーマンス基準はいつ使うか
機能的パフォーマンス基準(Functional Performance Criteria)は、利用者の視覚・聴覚・発話・身体操作などに関して、ICTがどのように利用できる必要があるかを定めた基準。改訂508基準の第3章にある。
たとえば、視覚による操作方法を提供するICTには、視覚を必要としない操作方法を少なくとも1つ提供する要件がある(302.1)。
使われる場面は、次の2つを区別して覚えておく。
技術要件で扱われていない機能がある場合
第4章・第5章の要件がICTのある機能を扱っていない場合、その機能は第3章の機能的パフォーマンス基準に適合する必要がある(E204.1)。
学習時のメモにあった「ルールを作る時間がない場合」という説明ではなく、技術要件でその機能が扱われているかが判断の基準になる。
代替の設計や技術を使う場合
第4章・第5章の要件に従う場合と実質的に同等以上のアクセシビリティと使いやすさを提供する代替の設計・技術は認められる。これをEquivalent Facilitationといい、同等以上かどうかの判断に第3章の機能的パフォーマンス基準を使う(E101.2)。
新しい技術でも利用者がアクセスできることを評価する仕組みとして整理できる。ただし、新しい技術であること自体が、要件を満たしたことにはならない。
参考
- U.S. Access Board — Revised 508 Standards and 255 Guidelines
- E101.2:Equivalent Facilitation
- E201〜E205・E207:適用範囲、例外、機能へのアクセス、WCAGとの関係
- 第3章:Functional Performance Criteria
公式基準の確認日:2026年9月6日。